・読書会に参加して楽しかった
・読書会をつくってみたい
読書会に興味があるけれど、実際にゼロからつくるにはノウハウが必要に感じませんか?
読書会に関連したオススメの一冊と聞かれたら、山本多津也さんの『読書会入門』を選びます。
実際、読書会をやってみようという気持ちにさせてくれた一冊であり、心がまえも学べました。
この記事では『読書会入門』の魅力を余すことなくお伝えします。
『読書入門』の魅力
日本最大級の読書会「猫町倶楽部」の主宰者・山本多津也さんが語るご著書『読書会入門』
本書の魅力についてポイントを3つ、それぞれ紹介していきます。
①著者の愚直な想い
国内最大級の読書会の主宰者である著者ですが、会社の仲間に声をかけたのが発端です。
猫町倶楽部と名付けた読書会は共感を呼び、規模が徐々に大きくなっていきました。
そんな著者が「読書会とはなんぞや」という基本情報や読書会を興したきっかけが丁寧に綴られています。
読書会ひいては読書体験そのものの魅力にいたるまで、著書のまっすぐで愚直な語りに、ぐっと心を動かされました。
本書を読んで、読書会を始めました!
②コミュニティの秘訣
二つ目はコミュニティという観点でご紹介します。
猫町倶楽部は立ち上げからすでに10年以上。読書会として比類のない持続性です。
そのなかで培った経験や、みんなが気持ちよく参加できるような工夫やノウハウが惜しみなく語られています。
主宰者はどうあるべきなのか、態度やあり方といった心がまえが学べます。
③課題図書リストが楽しい
これまで過去にどんな本が課題として扱っていたのかリストが付いています。
ボリュームは十分、このリストを眺めるだけでもお酒が飲めますし、新しい発見があります。
主宰者の立場ですと、課題本の選定には読書会という場との相性をどうしても意識をします。
「この本でもテーマとして扱ってもいいんだ!」と参考になりますし、実績を教えてくれます。
あとは、眺めていてシンプルに楽しいです。
ぜひ本書でリストをチェックしてみてください!
以上、3つのポイントをお伝えしました。
ここからは本書で語られている読書会のノウハウに少しふれていきます。
「猫町倶楽部」主宰者が語る読書会への想い
・読書会の掟
・読書会の意義と効能
上記2つのテーマについて本書の引用を交えながら紹介します。
読書会の掟
読書会の掟について著者は本書でこのように語っています。
育った環境や現在の生活、生まれ持った感性などによって、一冊の本にも、10人いれば10通りの読み方があります。もともと「みんな違う」んです。それが当然。
だからこそ、猫町倶楽部の読書会には一つだけルールを設けています。それは、決して他人の考えを否定しないこと。他人の考えを否定せず、自分の考えも否定されない。
だからこそ、感想に正解も、不正解もないのだ。
山本多津也『読書会入門 人が本で交わる場所』幻冬舎新書
これまで読書会に参加してわかったのが読み方がそれぞれ違うんです。
たとえハイライトした部分が同じでも「どう感じたか」は全然ちがうケースもあるんです。
ここまで感じ方が異なると、ひとりとしてまったく同じ価値観はないことが浮き彫りになります。
本を媒介させることによって、その先にいる個の本質が垣間見えるといえるのではないでしょうか。
読書会の意義と効能
著者は読書会の意義や効能について、どのようにとらえているのでしょうか。
読んだ直後、最初はぼんやりとしていて、摑みどころのない自分自身の感想を、読書会という場で、他人にわかる言葉で表現しようと努力する。
そこに、同じ本を読んだ誰かが新たな言葉を被せたり、あるいは思いもよらない側面からの他人の見方を自分に取り込む。
そうやってインプットとアウトプットを同時に行うことでこそ、もともとあった自分の考えが、次第に立体化されていく。自分の考えが、より高い精度で形作られていくと思うのです。
山本多津也『読書会入門 人が本で交わる場所』幻冬舎新書
端的に表すならば「読書体験の質が上がる」と考えているのですが、見事に言語してくださりました。
読書会では、ひとりの「口述」に呼応して別の参加者たちの感想が重なります。
自分と他者の感想や意見が化学反応を起こし、新たな気づきや発見が生まれる気がします。
おまけ:文化について
今の世の中、とかく非効率なことは嫌われる傾向にあります。けれども私は、効率重視では決して作り上げることのできないものがたしかにあると思っています。
その最たるものが「文化」です。手間を惜しまず、結果を焦らず、非効率なことをやり続ける。
あっという間に過ぎ去ってしまう時間に、ほんの少しずつ、深い溝を掘り続ける。すると、いつか自分たちの背後に驚くほど長い道のりができているのです。
山本多津也『読書会入門 人が本で交わる場所』幻冬舎新書
文化の前提をおさらいします。語源・由来辞典によれば、次のようになっています。
・「culture」は「耕す」を意味するラテン語「colere」に由来
・英語に入って「心を耕すこと」の意味で用いられるように
・そこから「教養」「文化」も意味するようになった
手間を惜しまず、結果を焦らず、非効率なことをやり続けることはまさに文化そのもの。
心を揺さぶるような体験は、その人の人生に深い溝を掘ります。
自分の時間に溝を掘れたらよいし、誰かにその機会を提供できたら素敵ですよね。
そういった積み重ねがやがて人から人へと継がれ、文化を育んでいくのだろうと思います。
まとめ:日本最大級の読書会「猫町倶楽部」主宰者が語る『読書会入門』の魅力
この記事では、『読書会入門』の魅力と、本書から学べる読書会のノウハウを紹介しました。
文字通りに、あっという間に過ぎ去ってしまう時間に、ほんの少しずつ、深い溝を掘り続けていきたいですね。
参考までに記事でふれた『読書会入門』を紹介しておきます。
それではよい一日を!
コメントを残す