・哲学や古典にチャレンジしてみたい
・挫折しないよう入門書から始めたい
・でも何を読んでいいかわからない
時間に余裕が出できて学び直しに本を読みたくなりますよね。
哲学の名著や古典に興味を持ち始めた方には、入門書として漫画形式の本をおすすめします。
漫画形式の中でもまんが学術文庫レーベルを愛読する私が5冊を厳選してご紹介します!
・バリエーションの幅広さ
・ストーリーとしてのおもしろさ
・軸をぶらさない中でのアレンジ性
上記の観点で選書しています、それではさっそくまいりましょう!
まんが学術文庫をおすすめする理由
まんが学術文庫を推す理由は、原作のエッセンスをぶらさずストーリーに落とし込めているから。
哲学や古典の入り口に立った人がストーリーの力によって、おもしろく読めます。
というのも、まんが学術文庫の編集者は「週刊少年マガジン」を支えた漫画出身の方々。
哲学の専門家ではない視点もありつつ、漫画のノウハウや手腕が惜しみなく発揮されています。
まさに講談社が掲げている「おもしろくてためになる」を体現しているレーベルなのです。
講談社さん、新作も待っています!
まんが学術文庫おすすめ5選
ランナップは下記の通りです。
①権力と支配|マックス・ウェーバー
②三略|中国の古典軍略書
③現象学の理念|フッサール
④政談|荻生徂徠
⑤恋愛と贅沢と資本主義|ゾンバルト
それではそれぞれ紹介していきます!
①権力と支配|マックス・ウェーバー
原作は、支配の三類型と官僚制の分析によって、支配の本質に迫るウェーバーの論文です。
①合法的支配
ルールで定められた支配者
②伝統的支配
伝統と品位で正当化された支配者
③カリスマ的支配
支配者の資質による支配
支配の類型だけみると興味をそそりますが、原著をいきなり読むには相応の力を要します。
そこで本作は戦後のドタバタ期を舞台とした大胆なアレンジで、見事なストーリーに仕上げています。
趣旨は、ヤクザの主人公ヨシオがマッカーサーから教わった支配の本質を子分に伝授するという内容。
マッカーサーがどのように「伝統的支配」を壊し、憲法に基づいた「合法的支配」をつくり出したのか?
ぜひ、思い切った演出を味わいながら読んでみてください!
オリジナルのストーリーがおもしろいがすごい!
②三略|中国の古典軍略書
島耕作×半沢直樹的な舞台設定とでもいいましょうか。
子会社の社長を命じられた主人公が三略を頼りに困難を乗り越えていく王道ストーリーです。
なじみのある設定でそもそもの話に惹き込まれますし、帝王学のエッセンスが学べます。
✓夫れ人衆一たび合えばにわかには離すべからず
→人々が一度団結した時は簡単に引き離してはいけない
✓含気の類 ことごとく其の志を得んことを願う
→どんな人間でも心の中には切実な希望を秘め、その実現を願っている
✓財を貪れば則ちかんは禁じられず
→財貨を貪れば不正を禁じることはできなくなる
思わずメモした言葉を引用しました。
中国に伝わる古典軍略書の内容でも、我々の社会人生活でも十分に通用します。
考えてみると、企業活動の一般用語になっている「戦略・戦術・ターゲット」って戦争用語なんですよね。
本屋に並んでいるのは「孫子の兵法」ですが、あえて三略を読むのはいかがでしょうか。
中国の戦略書は「孫子の兵法」だけじゃない!
③現象学の理念|フッサール
身近な対象でありながらも現象学やエポケーといった言葉が出ると、どこか身構えてしまいますよね。
本作は「世にも奇妙な物語」のような世界観で、店主がラーメンを通じて現象学を解説するお話。
ラーメン?哲学?現象学?
この表紙の絵のタッチからして、これまでと毛色が異なるのがおわかりでしょうか。
じつは、作者は『新釈 うああ哲学事典』を上梓している須賀原洋行氏。
作者の独特な世界観を楽しみながら、フッサールの現象学を学べる一冊です。
須賀原さんはカミュ他作品も手がけているよ!
④政談|荻生徂徠
荻生徂徠の全体主義的な統治術『政談』を題材に、舞台設定から何までアレンジが光るのが本作。
人工知能コンピュータ「SORAI」がすべての政策を決める2055年の日本を描いています。
最近、成田悠輔さんが真面目にAIによる政策決定を提案していますが、ぼくは『政談』を思い出しました。
未来に向けて語られていることと、江戸時代の『政談』には共通点を見出すこともできるんですね。
いまに通じる思考や考え方が学べる一冊です。まずは漫画からいかがでしょうか。
共通性が見えると楽しくなるよ!
⑤恋愛と贅沢と資本主義|ゾンバルト
資本主義がここまで発展できた理由は何でしょうか?
マックス・ウェーバーは宗教観と紐付けた「勤勉さ」で説明しましたが、ゾンバルトは真逆です。
ゾンバルトは、無駄に贅沢にお金をどんどん使ったからだと喝破します。
贅沢と奢侈そしてモテるための見栄、フランス革命あたりを舞台にゾンバルト先生が解説していく内容。
安定の「Team バンミカス」の画に引き込まれながら、人の欲望の本質が学べる一冊です。
本シリーズで初めてゾンバルトを知ったよ!
まとめ:まんが学術文庫おすすめ5選【哲学名著や古典の入門書として最適!】
アレンジが光るタイトルを中心に、まんが学術文庫のオススメ5冊を紹介しました。
他にも厭世主義のショーペン・ハウアーが語った『幸福について』や、現代にも通じるルボンの『群衆心理』
オススメしたいタイトルはまだありますし、一ついえるのは基本どれもおもしろく読めると思います!
ビジネス本や小説に興味がある方は下記も目を通しましょう。
それではよい一日を!
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